耳科診療
耳科診療について

耳科診療の実績と設備
治りにくい外耳炎や耳のトラブルに対し、細径内視鏡(オトスコープ)を使用した診療を行っています。耳の奥の状態まで拡大して確認し、炎症や異物、腫瘍の有無を丁寧に評価することで、再発を防ぐための根本治療を目指します。
現在の治療方針を改めて見直したい場合や、繰り返す外耳炎について詳しく調べたい場合のご相談・セカンドオピニオンにも対応しています。
耳の構造と疾患について
外耳の構造と疾患
外耳は、耳介(耳たぶ)と外耳道からなる構造で、犬や猫においてトラブルが最も起こりやすい部位です。
外耳に生じる主な疾患には、細菌や真菌(酵母)感染を伴う外耳炎、耳ダニ症、異物(草の種など)の侵入、腫瘍性病変などがあります。多くの場合、これらは単独ではなく、体質やアレルギーなどの背景因子と関連して発生します。
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外耳炎
細菌や酵母(マラセチア)感染、アレルギーなどが関与して起こる外耳道の炎症です。耳を掻く・頭を振る・耳のにおい・耳垢の増加などが見られます。外耳炎は原因を特定せずに治療を繰り返すと慢性化しやすいため、耳の状態評価や検査に基づいた治療が重要です。
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耳ダニ症
寄生虫である耳ダニが外耳道内に寄生することで起こり、強いかゆみや黒褐色の耳垢が特徴です。特に子猫や多頭飼育環境で見られることがあり、適切な駆虫治療で改善が期待できます。
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異物
毛や草の種、小さな異物が外耳道に入り込むことで、急な痛みや頭振り、炎症を引き起こします。放置すると外耳炎を併発することがあるため、早期の確認と除去が重要です。
中耳・内耳の構造と疾患
中耳は鼓膜の奥に位置し、音を伝える空間です。一方、内耳は平衡感覚や聴覚をつかさどる重要な器官です。中耳・内耳の疾患は、外耳炎が進行して波及するケースが多く、診断や治療にはより専門的な評価が必要になります。
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中耳炎
外耳炎が進行して鼓膜を越えて感染が広がることで起こることが多い疾患です。頭を傾ける、痛み、耳の違和感などが見られることがあります。慢性外耳炎の背景として中耳炎が隠れている場合もあり、画像検査などによる評価が重要です。
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内耳炎
中耳炎がさらに内側へ進行した状態で、歩行のふらつき、頭の傾き、眼振などの神経症状を示すことがあります。状態によっては重症化するため、早期診断と集中的な治療が必要です。
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前庭疾患
内耳や前庭神経の障害により、平衡感覚が乱れることで、ふらつき、旋回、眼振などの症状が現れます。原因は内耳炎のほか、中枢性疾患など多岐にわたるため、症状や検査結果を総合して判断します。
当院の耳科診療の特徴

細径内視鏡検査(オトスコープ)による治療
当院では、耳の中を拡大・照明しながら観察できるオトスコープ(耳科内視鏡)を導入しています。肉眼では見えにくい耳の奥(鼓膜付近)まで確認できるため、炎症・耳垢・異物・腫瘤などの状態を正確に把握できます。高精度な映像により、原因を見逃さず、再発しにくい治療につなげます。

麻酔下での洗浄や処置にも対応
治りにくい慢性外耳炎や、耳の奥に汚れや毛が詰まっている場合は、麻酔下での耳内洗浄・異物除去を行います。動物に痛みや恐怖を与えず、確実に耳の奥まできれいにできるため、耳の自浄作用を取り戻し、再発を防ぐ効果が期待できます。

皮膚・耳科の専門医と連携した遠隔診療サポート
当院の耳科診療では、皮膚・耳科分野を専門とする大隅先生と連携し、遠隔診療サポートを取り入れています。診察時の所見や検査画像、治療経過を共有しながら専門的な意見を取り入れることで、治りにくい皮膚疾患、外耳炎など再発を繰り返す症例に対しても、より精度の高い診断と治療方針の検討が可能になります。
大隅先生の紹介

2014年から皮膚科専門診療の道に進み、多くの診察を経験して参りました。個々の動物の状況に適した、最善の治療を提供できるように努力しております。
また、より多くの動物に貢献できるよう、全国の提携病院でオンラインによる獣医師のサポートを行っております。治療が難しいケースなどは、獣医師から私まで相談もされておりますので、ご安心して診察を受けていただければと思います。
アジア獣医皮膚科専門医/東京動物皮膚科センター
大隅 尊史 TAKAFUMI OSUMI



耳科診療の流れ
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Flow01ご来院・問診
まずは飼い主さんから、耳の症状やこれまでの経過を詳しくお伺いします。「耳をかゆがる」「頭を振る」「においが気になる」など、どんな些細なことでも構いません。生活環境や季節、体質なども考慮しながら、症状の原因を丁寧に探っていきます。飼い主さんの目線に立ち、安心してご相談いただける時間を大切にしています。
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Flow02外耳の観察・一般検査
耳の入口から外耳道までを目視や耳鏡で確認し、炎症の有無・耳垢の性状・におい・分泌物などを詳しくチェックします。同時に、細菌やマラセチア(真菌)の検査、耳垢の顕微鏡検査などを行い、どのようなタイプの外耳炎かを特定します。痛みや不快感が出ないように、やさしく丁寧な検査を心がけています。
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Flow03耳科内視鏡(オトスコープ)による精密検査
より詳細な診断が必要な場合には、耳科内視鏡(オトスコープ)を使用します。カメラを耳の奥まで挿入し、炎症の範囲や耳垢の付着、異物・ポリープなどの有無を拡大画像で確認します。モニターに映し出しながら飼い主さんにもご説明するため、現在の耳の状態を一緒にご理解いただけます。
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Flow04洗浄・処置
炎症や耳垢が強い場合、麻酔下で耳道の奥まで洗浄処置を行います。耳の奥の汚れや異物、固まった耳垢を丁寧に除去し、耳の自浄作用を取り戻すことで治りにくい外耳炎を改善します。処置は耳の構造を傷つけないよう慎重に行い、洗浄後は抗炎症薬や点耳薬で耳内の炎症を抑えます。
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Flow05再診・経過チェック
処置後は、耳の状態がどのように改善しているかを再診で確認します。炎症が残っていないか、耳垢の再付着がないかなどを評価し、必要に応じて薬の調整やホームケアの指導を行います。再発を防ぐためには、定期的なチェックや正しい耳掃除の習慣が大切です。当院では、飼い主さんと一緒に長期的なケアを行い、耳の健康を継続的にサポートしています。
飼い主さんへのアドバイス

日常のケア方法
耳のトラブルを防ぐためには、日常的な観察とお手入れが大切です。耳の中が汚れていないか、においが強くないかを定期的にチェックしましょう。耳垢が見える場合は、無理に奥まで拭かず、柔らかいガーゼなどで外側をやさしくぬぐう程度で十分です。市販の洗浄液を頻繁に使うと、かえって刺激になる場合もあります。トリミング時などにも耳の状態を確認し、異常が続くようなら早めにご相談ください。

受診のタイミング
以下のような症状が見られるときは、耳の病気のサインかもしれません。
- 耳をしきりにかゆがる、頭を振る
- 耳からにおいや分泌物が出る
- 耳を触ると痛がる、傾けて歩く
- 耳の中が赤い、黒い耳垢がある など
これらの症状が数日続く場合や、繰り返す場合は、外耳炎や耳ダニ、アレルギーなどの可能性もあります。当院では、早期発見・早期治療で動物たちの負担を少なくする診療を行っています。
よくある質問
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Q
耳をかゆがっていますが、様子を見ても大丈夫ですか?
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耳のかゆみは外耳炎などの初期症状であることが多く、放置すると悪化しやすいため、早めの受診をおすすめします。
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Q
外耳炎はなぜ繰り返すのでしょうか?
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細菌や真菌だけでなく、アレルギーや体質、耳の構造などが関係していることがあります。原因を見極めることが大切です。
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Q
耳そうじは自宅でしても良いですか?
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間違った方法で行うと悪化することがあります。ご自宅でのケア方法については診察時にご説明します。
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Q
受診の目安はどんな症状ですか?
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耳を頻繁にかく、頭を振る、においが強い、赤みや腫れがある場合は受診をおすすめします。
